フィンランドで最も美しい光の教会と称えられる、ユハ・レイヴィスカの代表作。学生の頃、小泉隆先生の授業で見た【ミュールマキ教会】の写真はキラキラした印象でずっと記憶に残っており、いつか訪れたい場所の一つでした。

Louhela駅を出たら直ぐに建物が見え、郊外の集合住宅が周りにあるような街なのですが、教会と道路の間には背の高い白樺の木が植えられており、エントランスに向かう少しの間、森の中に建っているような印象を持ちました。

     

中に入るとイメージ通り…そこは自然光と照明の灯りの美しさが共存する空間で、お天気が良かった事もあり想像していたよりもずっと明るく、広く、天井高さもありました。音楽家でもあり、ピアニストでもあったユハ・レイヴィスカ。彼は、建物を光を演奏するための楽器とみなしていたようで・・・天井を見上げると、ピアノの中から音がふってくるような印象を持つデザイン。彼の音楽的な建築とはこういうことなのかなぁ・・・と考えながら、自然光が移ろう様子を見ながら礼拝堂をぐるぐる・・・そうすると、タンダムに吊られた照明も配置を変えて、楽譜の音符が動いているよう・・・とても神秘的な空間体験でした。

     

礼拝堂に行くまでのエントランスから廊下も、窓から新緑の木々を眺める事ができ、天井には光源が見えないデザインの照明が礼拝堂に導くように連なって灯っています。天井高さも空間の広さも違う為、それぞれの空間に合わせて照明器具もデザインされている事が分かります。神秘的な空間ながらも、床がレンガであったり、壁や天井に木が使われている材料にも北欧らしい、ぬくもりを感じる事ができる建築でした。

   

2025Helsinki&Barcelona_2025.06.03